AIがクマを24時間見張る!自動撃退スプレーの実験

科学・技術
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近年、日本各地でクマが人里(ひとざと)に出没する事故が増えています。そんな問題を解決しようと、岐阜県でAI(人工知能)がカメラの映像を見てクマを瞬時に見分け、自動でスプレーを噴射して追い払う装置の実証実験が始まりました。テクノロジーで野生動物と人間が共存できる社会を目指す、新しい取り組みです。

なぜクマが里に来るの?

ツキノワグマは本来、山の中で木の実や昆虫を食べて生きています。しかし近年、山の奥にあるはずのドングリなどの木の実が不作になる年が増え、食べ物を求めてクマが人間の住む地域まで下りてくることが多くなっています。特に岐阜県の飛騨(ひだ)地方では果樹園(りんごや柿などの農家)への被害が深刻で、農家の方々が長年頭を悩ませてきました。

AIクマ検知スプレーのしくみ

岐阜大学の森部絢嗣(もりべじゅんじ)准教授と飛騨市が共同で実証実験を始めたのが、「AIBeS(エイベス)」という装置です。果樹園の柵(さく)の近くに設置されたカメラが周囲を常時撮影し、撮影した画像はインターネットを通じてクラウド(インターネット上のコンピュータ)に送られます。AIがその画像を解析して「クマだ」と判断すると、自動でクマ撃退スプレーが噴射される仕組みです。人間や犬など他の動物と区別する能力も持っており、誤って人にスプレーがかかるリスクも小さくなっています。2026年6月23日には岐阜県内の市町村の担当者を集めた研修会も開かれ、全国への普及を目指しています。

AIと動物の共存への一歩

これまでのクマ対策は、電気柵を設置したり、人が巡回したりする方法が主流でした。しかし農家の高齢化も進む中、24時間人が見張ることはなかなか難しいのが現実です。AIを使えば夜中でも休日でも自動で監視できるため、農家の負担を大きく減らすことが期待されています。また、クマを「追い払う」だけなので、大切な命を奪わずに人間と野生動物が共存する道につながるとも評価されています。

なぜ私たちに関係があるの?

クマの出没問題は岐阜だけの話ではなく、北海道から九州まで日本各地で起きています。農作物の被害だけでなく、人がけがをする事故も毎年報告されています。AIが野生動物対策に活用されることで、私たちが食べる果物の安定的な生産を守るとともに、自然と人間が共に生きる社会のあり方を考えるきっかけにもなります。

もっと知りたい人へ

日本に生息するクマには、北海道のヒグマと本州・四国のツキノワグマの2種類がいます。どちらも鳥獣保護管理法(ちょうじゅうほごかんりほう)によって保護されており、許可なく捕まえたり傷つけたりすることは禁止されています。AIを使った野生動物管理は「スマート農業」や「デジタル田園都市国家構想(でじたるでんえんとしこっかこうそう)」とも関連しており、受験では環境問題・農業政策のテーマで問われることがあります。

今日の一問クイズ

問題:北海道に生息する大型のクマの種類を答えてください。また、本州・四国に生息するクマの種類は何ですか? ▶ 答えを見る

答え:北海道=ヒグマ、本州・四国=ツキノワグマ

解説:日本のクマは地域によって種類が異なります。ヒグマは体が大きく体重が200kg以上になることも。ツキノワグマは胸に白い三日月形の模様があることで知られています。どちらも鳥獣保護管理法で守られており、むやみに捕まえることは法律で禁じられています。

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