温度で酸素を呼吸するセラミックスを発見!

科学・技術
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神奈川大学(かながわだいがく)などの研究グループが、まるで「呼吸(こきゅう)」をするように酸素(さんそ)を吸ったり吐いたりするセラミックス(陶磁器(とうじき)に似た材料)を発見しました。温度を変えるだけで酸素を自在に出し入れでき、しかも色が白と青に変わるという驚きの性質を持っています。酸素センサーや環境にやさしいエネルギー技術への応用(おうよう)が期待されています。

「呼吸するセラミックス」ってどういうこと?

セラミックスとは、粘土(ねんど)や鉱物(こうぶつ)を高温で焼いてつくる素材のことです。食器(しょっき)や建材(けんざい)に使われるほか、最先端(さいせんたん)技術の部品にも欠かせません。今回発見された「Ba2MnGe2O7+δ(バリウム・マンガン・ゲルマニウムの化合物)」は、200〜500℃の温度範囲で加熱・冷却するだけで、周りの空気から酸素を吸収したり、逆に放出(ほうしゅつ)したりします。この性質が、まるで生き物が肺(はい)で呼吸しているように見えることから「呼吸するセラミックス」と呼ばれています。

色が変わるってどういうこと?

このセラミックスには、酸素を多く含むと「青色」、酸素を放出すると「白色」に変わるという不思議な性質もあります。酸素の量によって光の吸収のしかたが変わり、見た目の色に影響するのです。この色の変化をうまく利用すると、「今この材料にどのくらい酸素が含まれているか」を目で確認できる酸素センサーとして使える可能性があります。これまでのセラミックスは酸素を放出させるのに特殊なガスが必要でしたが、このセラミックスは大気中でも穏やかな条件で動作するため、扱いやすいという利点もあります。

どんなことに役立つの?

医療(いりょう)の現場では、高純度の酸素を効率よく製造する装置が必要とされています。また、工場での製品管理や空気の浄化(じょうか)など、酸素を精密(せいみつ)にコントロールしたい場面でも活躍が期待されます。さらに、温度変化だけで動く仕組みは電気を必要としないため、省エネルギーの観点からも注目されています。

なぜ私たちに関係があるの?

酸素は私たちが生きていくために欠かせない気体です。この「呼吸するセラミックス」が医療や環境技術に応用されれば、より安全で持続可能(じぞくかのう)な社会づくりに貢献できます。また、「材料の性質を変えることで社会課題を解決する」という考え方は、未来の科学者・エンジニアに求められる発想のひとつです。

もっと知りたい人へ

セラミックスの研究は「材料科学(ざいりょうかがく)」と呼ばれる分野に属します。日本はセラミックス研究が世界的に進んでいる国のひとつで、ファインセラミックスと呼ばれる高機能素材は電子部品や宇宙開発にも使われています。今回の研究成果はアメリカ化学会の専門誌「Chemistry of Materials(ケミストリー・オブ・マテリアルズ)」に掲載され、国際的にも高く評価されました。

今日の一問クイズ

問題:神奈川大学が発見した「呼吸するセラミックス」は、酸素を吸収すると何色に変わるでしょうか? ▶ 答えを見る

答え:青色

解説:このセラミックスは酸素を多く含むと青色に、酸素を放出すると白色に変化します。この色の変化を利用して、酸素の量を目で確かめる「酸素センサー」としての応用が期待されています。

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