太陽電池(ソーラーパネル)といえば、屋根の上に並ぶ硬くて重い板をイメージしますよね。でも今、「曲がる」「薄い」「軽い」という新しい太陽電池が注目されています。その名も「ペロブスカイト太陽電池」。日本政府はこの太陽電池を、今年の夏から沖縄県の自衛隊基地の屋根に設置して、本格的な実験を始めようとしています。
ペロブスカイト太陽電池って何がすごいの?
従来の太陽電池はシリコンというかたい素材を使っていたため、重くてフラットな場所にしか取り付けられませんでした。一方、ペロブスカイト太陽電池はフィルムのように薄くて柔軟性があり、曲がった屋根や壁面にも取り付けることができます。重さも従来品の約10分の1程度なので、強度が弱い建物の屋根にも乗せられる点が大きな強みです。日本の研究者たちがこの技術の開発をリードしており、世界から注目を集めています。
なぜ自衛隊基地で実験するの?
政府は今年の夏、沖縄県うるま市にある海上自衛隊の基地でペロブスカイト太陽電池を設置し、約9か月間の実証実験(じっしょうじっけん・本当に使えるかどうかを確かめる実験)を行う予定です。国の施設で行う初めての実験となります。政府がまず自ら率先して使うことで、民間(一般の会社や家庭)での普及(ふきゅう・広く使われること)を後押ししたい狙いがあります。
日本の目標と世界への影響
日本政府はペロブスカイト太陽電池の生産体制を2030年までに整え、2040年には国内で20ギガワット(GW)もの大量導入を目標に掲げています。20GWというのは、大型の原子力発電所約20基分の発電能力に相当します。太陽光発電をもっと身近な場所に広げることで、地球温暖化(ちきゅうおんだんか)を防ぐ二酸化炭素(CO₂)の排出削減につながります。
なぜ私たちに関係があるの?
地球温暖化を防ぐためには、石油や石炭などの化石燃料(かせきねんりょう)の代わりに、太陽光のような再生可能エネルギーを増やす必要があります。ペロブスカイト太陽電池が普及すれば、工場だけでなく学校や住宅にも簡単に設置できるようになり、私たちの生活を支えるエネルギーをクリーンにできるかもしれません。
もっと知りたい人へ
「ペロブスカイト」という名前は、ロシアの科学者ペロフスキーにちなんでつけられた結晶(けっしょう)構造の名前です。この構造が光を電気に変える効率に優れていることから、次世代の太陽電池として注目されています。受験のキーワードとして「再生可能エネルギー」「SDGs(持続可能な開発目標)」「脱炭素社会(だつたんそしゃかい)」とともに覚えておくと役立ちます。
今日の一問クイズ
問題:太陽の光を電気に変える装置を「太陽電池」と呼びます。ペロブスカイト太陽電池の特徴として正しいものはどれでしょう?①重くて硬い ②薄くて曲がる ③水の中で使える ▶ 答えを見る
答え:② 薄くて曲がる
解説:ペロブスカイト太陽電池はフィルム状で柔軟性があるため、従来のシリコン型ではできなかった曲面への設置が可能です。軽量で取り付けやすいことから、次世代の再生可能エネルギー技術として期待されています。
