傷ついた脳が自力で回復するしくみを科学者が発見

科学・技術
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東京科学大学の研究チームが、脳卒中(のうそっちゅう)で傷ついた脳が自分で回復しようとするしくみを発見しました。ある特定のたんぱく質が回復を止めてしまっていることがわかり、そのたんぱく質を抑える薬をマウスに投与すると回復が続くことが確認されました。この発見は世界的に有名な科学雑誌「ネイチャー」に掲載(けいさい)され、将来の治療薬の開発に役立つと期待されています。

脳梗塞とはどんな病気?

東京科学大学の七田崇(しちだたかし)教授らの研究チームは、脳梗塞(のうこうそく)などの脳卒中(のうそっちゅう)を起こした後に、脳が自力で回復しようとするしくみを新たに発見しました。この研究成果は、世界でもっとも権威(けんい)のある科学雑誌の一つ「ネイチャー(Nature)」に掲載されました。脳梗塞とは、脳の血管(けっかん)が詰まって(つまって)、脳の細胞(さいぼう)が傷ついてしまう病気です。日本では年間約20万人以上がこの病気にかかると言われており、後遺症(こういしょう)として手足のまひや言葉がうまく話せなくなるなどの問題が残ることがあります。

回復を「止める」たんぱく質を発見

研究チームは、脳梗塞を再現(さいげん)したマウスを詳しく調べた結果、「ミクログリア」と呼ばれる脳の中の細胞が、傷ついた神経細胞を修復(しゅうふく)する物質を出していることを発見しました。ところが、脳が傷ついてから約1か月が経つと、「ZFP384(ズィーエフピー384)」というたんぱく質が働きはじめ、この回復機能を止めてしまうことがわかりました。

新しい治療薬への期待

そこで研究チームはZFP384の働きを抑える薬剤(やくざい)を作り、マウスに投与(とうよ)してみました。すると、脳の回復力が持続(じぞく)することが確認されました。この仕組みをヒトにも応用(おうよう)できれば、脳卒中の後遺症を軽くする新しい治療薬の開発につながると期待されています。

なぜ私たちに関係があるの?

脳卒中は日本人の死因の上位にある病気で、後遺症に苦しむ患者さんも多くいます。今回の発見は、脳が本来持っている「自分で治ろうとする力」を引き出す薬の開発に道を開くもので、将来的に多くの人の生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させる可能性があります。

もっと知りたい人へ

「ネイチャー(Nature)」は1869年にイギリスで創刊された、世界でもっとも歴史ある科学雑誌の一つです。ここに論文が掲載されることは、その研究が世界トップレベルであることを示す大きな証明です。今後はヒトの細胞を使った実験や臨床試験(りんしょうしけん)を経て、実際に患者さんに使える治療薬の開発が進められる予定です。

今日の一問クイズ

問題:脳の血管が詰まって脳の細胞が傷ついてしまう病気を何というでしょう? ▶ 答えを見る

答え:脳梗塞(のうこうそく)

解説:脳梗塞は脳卒中の一つの種類で、日本では年間約20万人以上がかかると言われています。後遺症として手足のまひや言語障害が残ることがあるため、早期発見・治療が大切です。

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