人工太陽に近づいた!世界最大の核融合装置が進化

科学・技術
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茨城県にある研究施設に、「人工太陽(じんこうたいよう)」とも呼ばれる世界最大の核融合(かくゆうごう)実験装置「JT-60SA」があります。最近この装置に欠かせない「高速プラズマ位置制御コイル」が完成し、2026年冬ごろから新しい実験が始まる予定です。未来のエネルギー問題を解決するかもしれない大きな一歩として、世界中が注目しています。

核融合ってどんなエネルギー?

核融合とは、水素のような軽い原子が合体するときに生まれる巨大なエネルギーのことです。太陽が輝いているのも、この核融合反応によるもの。有害な廃棄物(はいきぶつ)がほとんど出ず、燃料となる重水素(じゅうすいそ)は海水から取り出せるため、「夢のエネルギー源」として長年研究されてきました。石油や石炭など枯れていく資源(しげん)に頼らなくてよくなる未来が期待されています。

JT-60SAってどんな装置?

「JT-60SA」は、日本の量子科学技術研究開発機構(りょうしかがくぎじゅつけんきゅうかいはつきこう)と欧州(ヨーロッパ)が共同で開発した、世界最大の「トカマク型(がた)」核融合装置で、ギネスブックにも認定されています。核融合では1億度以上もの超高温プラズマ(気体がイオン化した状態)を磁力(じりょく)で閉じ込めて反応させます。今回完成した制御コイルは、このプラズマがずれないように素早く調整する重要な部品です。三菱電機がわずか±2mmという高い精度で製作しました。

これから何が起きるの?

今後の実験では、プラズマを最大100秒間維持することを目指します。また、このJT-60SAで得た技術は、フランスで建設中の国際核融合炉「ITER(イーター)」にも活かされます。核融合発電が実用化されれば、電気を安定して供給でき、地球温暖化の原因となるCO₂も出ないため、気候変動(きこうへんどう)問題の解決にもつながると期待されています。

なぜ私たちに関係があるの?

日本は石油や天然ガスなどのエネルギー資源をほとんど海外から輸入しており、エネルギーの安定確保は国家の重要課題です。核融合発電が実用化されれば、日本が「エネルギー自立」に近づき、電気代の安定にもつながります。みなさんが大人になるころには、核融合発電が現実のものになっているかもしれません。

もっと知りたい人へ

核融合は「核分裂(かくぶんれつ)」とは異なり、連鎖反応(れんさはんのう)が起きないため爆発のリスクがなく、より安全なエネルギーとされています。受験でよく問われるキーワードとして「核融合」「ITER(イーター)」「再生可能エネルギー」「カーボンニュートラル」などが挙げられます。核融合は完全な「再生可能エネルギー」ではありませんが、環境負荷が非常に低いエネルギーとして注目されています。

今日の一問クイズ

問題:太陽が輝くエネルギーの源であり、「夢のエネルギー源」として世界中で研究されている原子の反応を何といいますか? ▶ 答えを見る

答え:核融合(かくゆうごう)

解説:核融合は、水素などの軽い原子核が合体して重い原子核になる反応で、このとき膨大なエネルギーが生まれます。CO₂を排出しないクリーンなエネルギー源として、日本を含む世界中で研究が進んでいます。

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