2026年の「春闘(しゅんとう)」で、働く人の給料が平均5.26%上がることが決まりました。3年連続で5%を超えた賃上げは、1990年代以来の高い水準です。でも物価(ぶっか)も上がり続けている中で、家計(かけい)は本当に楽になったのでしょうか?給料と物価のふしぎな関係を探ってみましょう。
「春闘」って何?
毎年春になると、日本全国の労働組合(ろうどうくみあい)が会社に「給料を上げてください」と交渉(こうしょう)する「春季生活闘争」、略して「春闘」が行われます。労働組合は、働く人たちが集まって作った組織で、会社に対して賃金(ちんぎん)や労働条件の改善を求めます。2026年の春闘では、大手の自動車会社や電機メーカーを中心に「満額回答(まんがくかいとう)」、つまり要求した通りの賃上げが相次ぎました。
なぜ賃上げが続いているの?
近年、食料品や光熱費(こうねつひ)などの物価が大幅に上がり、給料が増えなければ生活が苦しくなるという声が高まっています。また、日本では働き手の数が減り続けているため、会社は良い人材を確保(かくほ)するために高い給料を出す必要に迫られています。こうした「物価高」と「人手不足」という2つの流れが、高い賃上げを後押ししているのです。
それでも生活が楽に感じない理由
給料が5.26%上がっても、物価もほぼ同じくらい上がっているため、「実質賃金(じっしつちんぎん)」、つまり物価の影響を差し引いた実際の購買力(こうばいりょく)はなかなか増えないのが現実です。2026年はようやく実質賃金がプラスに転じ始めたという明るいニュースもありますが、多くの家庭では「値上がりした食料品の前では賃上げの実感が薄い」という声も根強く残っています。
なぜ私たちに関係があるの?
給料が増えると、家庭のお財布に余裕が生まれ、外食や旅行などにお金を使えるようになり、経済全体が元気になります。これを「経済の好循環(こうじゅんかん)」といいます。みなさんが将来社会に出たとき、賃金と物価のバランスは働きやすさや生活の豊かさに直接つながる、とても大切な問題です。
もっと知りたい人へ
日本の給料が長い間ほとんど上がらなかった時代を「失われた30年」と呼ぶことがあります。賃上げが続くことで、この停滞(ていたい)から脱却(だっきゃく)できるかが注目されています。受験によく出るキーワードとして「春闘」「労働組合」「実質賃金」「インフレーション(物価上昇)」「デフレーション(物価下落)」などを覚えておくとよいでしょう。
今日の一問クイズ
問題:名目(めいもく)上の給料の変化から物価の上昇分を差し引いた、実際の購買力の変化を表す指標(しひょう)を何といいますか? ▶ 答えを見る
答え:実質賃金(じっしつちんぎん)
解説:名目上の給料(名目賃金)が上がっても、物価がそれ以上に上がれば買えるものは減ります。実際にどれだけ生活が豊かになったかを測るには、物価の影響を除いた「実質賃金」を見ることが大切です。
