ガソリンの値段が急に高くなると、車を使う人だけでなく、食べものや日用品の値段にも影響が出ます。そんな事態を防ぐため、日本政府は2026年6月3日、3兆1135億円(やく3兆1000億円)という巨大な緊急予算(補正予算)を閣議決定しました。中東(ちゅうとう)地域の緊張が高まる中、私たちの暮らしを守るための大きな決断です。
なぜガソリンが高くなったの?
ガソリンの原料(げんりょう)は「原油(げんゆ)」と呼ばれる地中から採れる液体で、多くが中東という地域から船で運ばれてきます。2026年、イスラエルとアメリカがイランへ軍事攻撃(ぐんじこうげき)を行い、イランはその報復(ほうふく)として「ホルムズ海峡(かいきょう)」を封鎖(ふうさ)しました。ホルムズ海峡とは、中東の石油を世界へ運ぶためのとても重要な海の通り道です。ここが通れなくなると、世界中で石油が手に入りにくくなり、値段が一気に上がってしまうのです。
政府はどうやって値上がりを抑えているの?
日本政府はガソリンスタンドに対して「補助金(ほじょきん)」を出すことで、ガソリンの店頭価格(みんなが払う値段)を全国平均170円前後に抑えています。補助金とは、国がお金を出して価格を低く保つ仕組みのことです。今回決まった予算のうち約2兆5000億円は「中東情勢(じょうせい)対応の予備費(よびひ)」として積み立てられ、状況に応じてガソリン・灯油(とうゆ)・LPガス(家庭のガスコンロや給湯器に使うガス)などの補助に使われます。
補正予算ってそもそも何?
国は毎年4月に「当初予算(とうしょよさん)」という1年分の家計計画を立てます。でも、地震・台風・戦争など予想外のことが起きたとき、追加でお金が必要になります。そのときに組む「追加の予算」が補正予算(ほせいよさん)です。今回は国会でも3兆円超の予算案について質疑(しつぎ)が行われ、メディアでも大きく報じられました。
なぜ私たちに関係があるの?
ガソリンの値段が上がると、食べものや日用品を運ぶトラックの費用も増えるため、スーパーやコンビニで買うものの値段も上がってしまいます。政府が補助金でガソリン価格を抑えることは、私たちの毎日の食卓や生活費を守ることに直結しているのです。一方で、国民のお金(税金)が使われるため、どこまで支援を続けるべきかについては議論が続いています。
もっと知りたい人へ
補正予算は国会の審議と承認が必要で、「財政民主主義(ざいせいみんしゅしゅぎ)」という考え方に基づいています。ホルムズ海峡は日本が輸入する原油の約8割が通過する重要な要衝(ようしょう)で、受験でもよく出題されます。また、原油の価格変動が一国の物価(ぶっか)全体に影響を与える仕組みを「コストプッシュインフレ」と言います。
今日の一問クイズ
問題:日本が輸入する原油の多くが通過する、中東とオマーン湾をつなぐ海の通り道を何と言いますか? ▶ 答えを見る
答え:ホルムズ海峡
解説:ホルムズ海峡はペルシャ湾(中東の産油国が集まる湾)とオマーン湾をつなぐ幅約50kmほどの狭い水路で、世界の石油輸送の要衝として地理・公民の試験で頻出です。
