毎年6月20日は「世界難民の日(せかいなんみんのひ)」です。今この瞬間も、戦争(せんそう)や迫害(はくがい)から逃げるために故郷(ふるさと)を離れなければならない人が世界中にいます。その数はなんと1億人以上。そのうちの約4割は18歳未満の子どもたちです。
「難民」ってどんな人のこと?
難民(なんみん)とは、戦争・内戦・民族差別・宗教上の迫害などのために自分の国に住み続けることができなくなり、他の国へ逃げた人たちのことです。国連(こくれん)の「難民条約」で守られており、逃げた先の国では強制的に元の国へ送り返してはいけないというルールがあります。難民になった人は「今日の食事はどこで食べるか」「家族はどこにいるか」もわからないような過酷(かこく)な状況に置かれることが多く、国連の専門機関UNHCR(ユーエヌエイチシーアール)が支援しています。
特に多いのはどの国から?
国連UNHCRの最新データ(2025年末)によると、難民・国内避難民(こくないひなんみん)などを合わせた「強制移住者(きょうせいいじゅうしゃ)」の数は約1億1千万人を超えています。出身国として特に多いのはスーダン(約1,430万人)、シリア(約1,350万人)、アフガニスタン(約1,030万人)、ウクライナ(約880万人)です。長年続く内戦や武力紛争が、多くの人を故郷から追い出しています。
難民の子どもたちは学校に行けない
難民の中で最も深刻な問題のひとつが、子どもたちの教育(きょういく)です。学校に通える年齢(6〜17歳)の難民の子どもは世界で約1,240万人いますが、そのうち約半数は学校に行けていません。難民キャンプの環境は劣悪(れつあく)なことが多く、教師も学用品も足りません。「学べない子ども時代」は、その先の人生を大きく左右します。2026年の「世界難民の日」のテーマは「もしも わたしが あなただったら」で、難民一人ひとりの現実を自分事として考えようと呼びかけています。
なぜ私たちに関係があるの?
日本では難民問題が「遠い国の話」に感じられがちですが、日本にも難民として認定を求めて申請している人たちがいます。また、日本は国連の活動やUNHCRに資金を提供する国のひとつで、私たちの税金(ぜいきん)が支援に使われています。どんな立場の人も等しく守られるべきだという「人権(じんけん)」の考え方は、私たちの社会の根本にあります。
もっと知りたい人へ
難民を国際的に守る仕組みの中心となる条約を「難民条約(1951年)」といい、日本は1981年に加入しました。難民支援を担う国連機関はUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)で、本部はスイスのジュネーブにあります。「難民条約」「UNHCR」「国内避難民(IDP)」は中学・高校の公民や入試で頻出(ひんしゅつ)のキーワードです。
今日の一問クイズ
問題:戦争や迫害から逃れた難民を国際的に保護するための条約を「難民条約」といいます。この条約を中心となって守る国連の専門機関の略称(りゃくしょう)をアルファベット5文字で答えてください。 ▶ 答えを見る
答え:UNHCR
解説:UNHCRは「United Nations High Commissioner for Refugees(国連難民高等弁務官事務所)」の略です。本部はスイスのジュネーブにあり、世界中の難民・国内避難民の保護と支援活動を行っています。日本語では「ユーエヌエイチシーアール」または「国連難民機関」とも呼ばれます。
