日本の宇宙探査機「はやぶさ2」が2026年7月5日、小惑星「トリフネ」に超高速で接近する「フライバイ(近接通過)」に成功しました。秒速約5.3キロという猛スピードで、たった800メートルの距離を一瞬で通過し、岩の表面までくっきりわかる驚きの写真を地球に送ってきました。
「フライバイ」ってどんな探査のしかた?
惑星や小惑星に探査機を送る方法はいくつかあります。「フライバイ」とは、着陸せずに高速で近くを通り過ぎながら観測する方法です。はやぶさ2は以前、小惑星「リュウグウ」では着陸してサンプルを持ち帰りましたが、今回のトリフネへの接近は「フライバイ」方式。秒速5.3キロ(時速約19,000キロ!)という猛スピードで、小惑星の中心からわずか800メートルという超近距離を一瞬で通り過ぎたのです。
どんな観測結果が得られた?
今回のフライバイでは、カメラ・赤外線カメラ・レーザーなど4種類の観測機器すべてでデータの取得に成功しました。特に光学カメラが捉えた画像には、トリフネの表面にある大きな岩(ボルダー)まではっきりと映っており、科学者たちが「予想をはるかに超えた鮮明さだ」と驚くほどの成果でした。トリフネは長径約700メートルのやや細長い形をしており、自転周期(じてんしゅうき・一回転するのにかかる時間)は約5時間であることもわかっています。
「地球防衛」にも役立つって本当?
小惑星の観測は、宇宙の謎を解くだけでなく、地球を守るためにも重要です。もし大きな小惑星が地球に向かってきたとき、その形や速度、性質を正確に知っておくことが「惑星防衛(わくせいぼうえい)」の第一歩になるからです。はやぶさ2の今回のデータは、こうした将来の地球防衛にも役立てられると期待されています。次の目的地は小惑星「1998 KY26」で、2031年に到着する予定です。
なぜ私たちに関係があるの?
宇宙探査は「遠い話」に思えますが、はやぶさ2が持ち帰った小惑星のサンプルには、地球や生命の起源にかかわる物質が含まれている可能性があります。また、小惑星が地球に衝突するリスクを正確に把握することは、私たちの安全を守るうえで重要な科学的使命です。日本の宇宙技術が世界をリードしているという事実は、将来の宇宙開発を担う世代にとって大きな誇りでもあります。
もっと知りたい人へ
「はやぶさ2」はJAXA(宇宙航空研究開発機構)が運用する探査機で、2014年に打ち上げられ、2020年に小惑星リュウグウのサンプルを地球に持ち帰ることに成功しました。受験でも「JAXA」「小惑星探査」「はやぶさ」はよく出るキーワードです。また、「小惑星」と「彗星(すいせい)」の違い(氷や塵が多いのが彗星、岩石質なのが小惑星)も一緒に覚えておくと役立ちます。
今日の一問クイズ
問題:「はやぶさ2」が2020年に地球に持ち帰ったサンプル(砂や石など)は、どの天体のものでしたか? ▶ 答えを見る
答え:小惑星「リュウグウ」
解説:はやぶさ2は2018年にリュウグウに到着し、2回の着陸でサンプルを採取。2020年に地球へ帰還し、宇宙から持ち帰った貴重な岩石・砂を世界中の科学者が研究しています。
