ナフサ・クライシスって何?プラスチック不足が家計に迫る

経済
この記事は約3分で読めます。

2026年の春から夏にかけて、「ナフサ・クライシス(危機)」という言葉がニュースでよく聞かれるようになりました。ペットボトルやお菓子の袋、洗剤のボトルなど、日常生活のあらゆる場所にあるプラスチック製品の原料が足りなくなり、モノの値段が上がっているのです。いったい何が起きているのでしょうか?

ナフサって何だろう?

「ナフサ」とは、原油(石油)を精製(せいせい)するときにできる液体の一つです。このナフサを化学工場で処理すると、「エチレン」や「プロピレン」といった物質ができ、それがプラスチックの原料になります。つまりナフサは、ペットボトル・レジ袋・食品の包み・ビニールハウス・洋服の繊維・薬品の容器・車の部品・家電製品など、暮らしのほぼすべてのプラスチック製品の「もと」になる、とても重要な原料なのです。

なぜ不足しているの?中東で起きたこと

今年2月、中東のホルムズ海峡(ホルムズかいきょう)付近で軍事的な緊張が一気に高まりました。ホルムズ海峡は、サウジアラビアやイランなど石油の産地と世界の海をつなぐ、とても細くて重要な航路です。この海峡を通れなくなったことで、世界の石油の流れが大きく乱れ、ナフサの価格は2月から3月の間に約1.8倍にまで急騰(きゅうとう)しました。日本はナフサの輸入量の約74パーセントを中東に頼っており、特に深刻な打撃を受けました。

私たちの買い物にどう影響する?

ナフサの価格が上がると、プラスチックの原料が高くなり、それを使う食品メーカーや日用品メーカーも材料費が増えます。2026年春には、食品の包装材や建材・物流用の資材など30社以上が値上げを発表しました。スーパーで買うお菓子やヨーグルトのカップ、シャンプーのボトル、薬の袋など、毎日使うものの値段にジワジワと影響が出てきています。政府は家庭の電気・ガス代の補助などで家計を支える対策を取り始めていますが、プラスチック製品の値上がりは幅広い分野に広がっています。

なぜ私たちに関係があるの?

私たちの身の回りにあるプラスチック製品はほぼすべてナフサからできているため、ナフサの値段が上がると、普段の買い物から学校で使う文房具まで、さまざまなものが高くなる可能性があります。また、このできごとは「日本がエネルギー資源を中東に大きく依存している」という問題点を改めて浮き彫りにしており、資源の多様化や国内での代替素材(たいたいそざい)開発の重要性を示しています。

もっと知りたい人へ

ホルムズ海峡は世界の石油輸送の約20パーセントが通過すると言われ、受験でも頻出のキーワードです。日本は「エネルギー自給率」が非常に低く、石油・天然ガス・ナフサのほとんどを輸入に頼っています。こうした状況を改善するため、太陽光や風力などの「再生可能エネルギー」の普及や、植物由来の「バイオプラスチック」の開発も進んでいます。

今日の一問クイズ

問題:世界の石油輸送の重要な通り道で、サウジアラビアとイランに挟まれた海峡の名前は何ですか? ▶ 答えを見る

答え:ホルムズ海峡

解説:ホルムズ海峡はペルシャ湾とアラビア海をつなぐ幅約55キロメートルの細い海峡で、中東産の原油の大部分がここを通って世界へ輸出されます。この地域の安定は日本のエネルギー安全保障に直結するため、中学・高校受験でも重要なポイントです。

タイトルとURLをコピーしました