コンゴのエボラ感染がなぜ止まらないのか

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アフリカのコンゴ民主共和国で流行しているエボラ出血熱(えぼらしゅっけつねつ)の死者が700人を超えました。感染(かんせん)は隣国ウガンダにも広がっており、WHOは「追いつかないほど速く感染が広がっている」と警告しています。なぜこれほど感染が続くのか、その理由を考えてみましょう。

「人の移動」が感染を広げてしまう

今回の流行で最も大きな問題とされているのが、感染した人が治療を受けないまま別の場所へ移動してしまうことです。コンゴ東部の鉱山(こうざん)で働く労働者が体調不良になっても、病院が遠かったり、信頼できる医療機関がなかったりして、故郷や別の都市へ帰ってしまいます。その結果、感染が広い地域へと運ばれてしまいます。流行の中心地から約600キロ離れた大都市キサンガニでも、初の感染者が確認されました。

医療体制が整っていない地域の現実

コンゴ東部は長年、武装勢力(ぶそうせいりょく)による紛争(ふんそう)が続いてきた地域で、病院の数が少なく、医療従事者(いりょうじゅうじしゃ)も足りていません。感染者の中に医師や看護師が多いことも深刻な問題で、医療を支える人が感染で倒れると、ほかの患者も助けにくくなるという悪循環(あくじゅんかん)が生まれています。国境なき医師団などの国際団体が支援に入っていますが、地域の広さや不安定な治安のため、支援が届きにくい状況が続いています。

ワクチンはあるのに、なぜ広がる?

エボラにはすでにワクチンが存在します。しかし、コンゴのような紛争地域では、ワクチンを保管するための冷蔵設備(れいぞうせつび)が整っていない場所も多く、接種(せっしゅ)を進めることが難しい現状があります。また、地域住民がワクチンに不信感を持ってしまうこともあり、感染防止には「医療」だけでなく「信頼関係の構築」も欠かせません。

なぜ私たちに関係があるの?

感染症は国境を越えて広がるため、遠い国の話では済みません。コンゴからウガンダへの感染拡大が示すように、一か所で流行が広がると隣国、そして世界各地に影響が出る可能性があります。日本の外務省も感染地域への渡航(とこう)に注意を呼びかけており、世界規模での連携が病気の拡大を防ぐカギとなります。

もっと知りたい人へ

エボラ出血熱は1976年にコンゴ(当時ザイール)のエボラ川沿いで初めて発見されたウイルス性の病気で、致死率(ちしりつ)が高いことで知られます。今回の流行を受けてWHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」を宣言しており、国際社会が協力して対処すべき問題と位置づけられています。「感染症と国際協力」は中学・高校の公民・地理でも頻出のテーマです。

今日の一問クイズ

問題:WHO(世界保健機関)が感染症の流行が深刻だと判断したときに出す宣言を何といいますか?アルファベット(略語)で答えましょう。 ▶ 答えを見る

答え:PHEIC(ピーヘイク)

解説:「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(Public Health Emergency of International Concern)」の略語です。この宣言が出ると、各国が協力して感染対策に取り組む義務が強まります。

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